iniBuildsは、Microsoft Flight Simulator 2024(MSFS 2024)向けにリリースされた「TriStar Airliner」の最新バージョン1.0.2を公開しました。

今回のアップデートは、リリース直後からコミュニティより寄せられたフィードバックを真摯に受け止め、システムの挙動や安定性を徹底的に磨き上げることを主目的としています。

改修範囲は機体システム(AFCS/燃料/空気圧等)、アートワーク、サウンド、そしてPFB(Performance Flight Bag)と多岐にわたり、初期リリース時に見られた不安定さを解消ています。

システム(SYSTEMS):AFCSの安定化と航空機関士ロジックの修正

今回のアップデートにおける最大のハイライトは、オートパイロット(AP)およびフライトディレクター(FD)の挙動改善です。

特に巡航・アプローチフェーズでの信頼性が飛躍的に向上しました。

  • AFCS(自動飛行制御システム)の抜本的修正:
    • 高度キャプチャ(ALT CAP)の安定化: 高度到達時のオーバーシュートや不安定な揺らぎが修正されました。また、高度到達後もALT ALERTライトが点滅し続けるという視覚的な煩わしさも解消されています。
    • 旋回中の高度維持: 旋回中に400ft以上の高度喪失が発生していた問題が解決され、安定したレベルターンが可能になりました。
    • VNAV/PMSロジック: 巡航フェーズへの遷移不具合や、VNAV/TM(スラストモード)使用時の高度超過を修正。また、TM使用時に誤ったATS(オートスロットル)切断フラグが出る問題も改善されました。
  • ナビゲーションと計器の精度向上:
    • RMIの修正: RMI針が誤ってILSステーションを指してしまう挙動が修正され、VOR航法における信頼性が回復しました。
    • 慣性航法装置(INS): INS 1の座標オフセット修正とドリフト率の適正化により、長距離航行の精度が向上。
  • TriStar特有のシステムロジック:
    • DLC(ダイレクト・リフト・コントロール): オートスポイラー解除時にDLC FAILライトが連動しない論理エラーが修正され、L-1011独自のシステム挙動がより正確になりました。
    • 燃料・記録システム: 燃料消費量のリセット機能の正常化や、フライトレコーダーへの「Trip Date」記録機能の追加など、運航管理面の細かな機能が拡充されました。

ビジュアル(ART)とパフォーマンスの最適化

グラフィック面では、没入感の向上と「MSFS 2024」環境下での最適化が進められています。

  • エンジン始動時のスモークエフェクト: ロールス・ロイス RB211エンジンの特徴である、始動時の濃密なスモークが追加されました。
  • VRAM使用量の最適化: 8GBのVRAMを搭載したGPUを使用するミドルレンジ環境において、VRAM消費を最適化。高精細な風景下でのスタッター(カクつき)が軽減され、快適なフライトが期待できます。
  • コックピットの視認性と修正:
    • ADI(姿勢指示器)の改善: 空(青色)の部分におけるPitch Refマーカーの輝度を向上させ、日中の視認性が改善されました。また、反転していた速さ・遅さインジケーターのアニメーションも修正されています。
    • リバティー作成者向け追加: 機体番号のプラカード(Registration placard)アセットが追加され、サードパーティ製リバティー作成の柔軟性が向上しました。

PFB(Performance Flight Bag)の機能拡充とUIの改善

EFBとしての役割を担うPFBも、ユーザービリティの面で大きな進化を遂げています。

  • 運航利便性の向上: SimBrief等のOFP(飛行計画)再ダウンロード機能や、時刻に基づく輝度の自動調整機能が追加されました。
  • UIのストレス解消: MSFS 2024独自のUI仕様により入力モードがロックされる問題に対し、7秒間の入力フォーカス・タイムアウトを実装。PFBの操作後に計器操作へスムーズに戻れるよう調整されています。
  • オートF/E(航空機関士代行)の拡張: APU始動後のブリードエア(抽出空気)操作や、始動後フローでのAPUシャットダウンが自動化。貨物室重量の手動設定機能と合わせ、運航の柔軟性が高まっています。

オーディオとその他の修正

  • オーディオの整合性: カメラ視点を切り替えた際に発生していた音声喪失問題が解消。また、これまで欠落していた「キャビン高度警告ホーン」や「火災警告テスト音」が追加され、緊急時の聴覚フィードバックが完備されました。
  • 計器時刻: フライトデッキの時計がローカルタイムではなくUTC(協定世界時)を表示するように修正され、リアルな運航手順に即した仕様となりました。

入手方法

今回のバージョン1.0.2アップデートは、現在ゲーム内マーケットプレイスから直接ダウンロード可能です。なお、将来的にはiniManager経由での提供も予定されています。