iniBuildsは、Microsoft Flight Simulator 2024/2024向け「A340 Airliner」の最新アップデート(v1.0.11)をリリースしました。

今回のアップデートは、単なる表面的なバグ修正に留まらず、機体システムの根幹を支えるWASM(WebAssembly)環境下での安定性と実行効率(Efficiency)の向上に主眼が置かれています。

長距離飛行を主眼に置くA340において、システムの堅牢性を高めることは、長時間の航法における信頼性に直結する極めて重要なフェーズとなります。

WASM環境の最適化とシステムの堅牢化

開発チームは最新のテストフェーズを通じ、MSFS 2024特有のWASM環境におけるメモリ処理とデータアクセスのパターンを根本から見直しました。

既にベータテスターからは、高負荷な状況下でも動作の一貫性が著しく向上したというフィードバックが多数寄せられています。

技術的な主要改善点は以下の3点です。

  • 不要なデータコピーの削減: キーシステム内での冗長なデータ処理を排除し、一時的なメモリ使用量(Transient Memory Usage)を低減。これにより、WASM環境全体の実行効率が最適化されました。
  • データアクセスパターンの洗練とスタックプレッシャーの軽減: データへのアクセス経路を整理することで、不要な一時コピーを削減し、「スタックプレッシャー(Stack Pressure)」を軽減しました。これは、複雑なグラスコックピット機体で発生しがちな「スタッター(カクつき)」やフレームドロップを抑え、ランタイム時のパフォーマンスを安定させる効果があります。
  • クリティカルなメモリパスへのセーフティチェック追加: メモリ処理の重要経路に対して追加の検証ロジックを実装。異常なステートやエッジケース(境界条件での不具合)の発生を未然に防ぎ、システムの堅牢性を高めています。

これらの最適化により、WASMに起因するクラッシュ(CTD)のリスクが大幅に軽減されました。長時間の巡航においても、より安定したシミュレーション体験が可能となります。

システム修正および主要な改善項目

コックピット内の計器表示や操作ロジックについても、実機の挙動に基づいた精緻な修正が行われています。

主要な修正ハイライト

  • VOR/ナビゲーション:
    • VORコースが未設定(No course tuned)の状態における偏差表示(Deviation indication)の挙動を修正。
    • 着陸後、手動でチューニングした無線標識(Navaid)が正しくリセットされない問題を修正。
  • 油圧・操縦系統:
    • 油圧が供給されていない状態でトリム(Trim)が動かせてしまう論理エラーを修正し、実機の物理制約を再現。
  • MCDU/FMS:
    • スクラッチパッド入力の消去(Clear)に関する挙動を修正。
    • Fixページのフォーマット(表示レイアウト)エラーを修正し、視認性を向上。
  • 機体初期状態(Initial State):
    • Cold and Dark状態でのロード時、THS(水平安定板)が設定値通りの+4偏差になるよう初期設定を修正。

アップデート方法

本アップデート(v1.0.11)は、iniManagerクライアントを通じて現在ダウンロード可能です。