MSFS 2024向けアドオン開発大手のiniBuildsが、フランス最大のハブ空港「パリ シャルル・ド・ゴール空港(IATA: CDG / ICAO: LFPG)」の開発を正式発表しました。

長年にわたり複数の開発元が挑んでは開発中断を繰り返してきた「欧州空港シーナリーのラスボス」とも言えるこの空港に、業界最大手級のiniBuildsが本格参入したことで、既存の開発元との関係にも波紋が広がっています。

発表の概要

2026年8月21日、iniBuildsはDubai国際空港V2のリワーク進捗などを含むシーナリー開発アップデートの一環として、パリ シャルル・ド・ゴール空港をMSFS 2024向けに開発中であることを明らかにしました。

公開されたのは発表用スクリーンショット1枚のみで、現時点でリリース時期・価格・詳細な機能リストは発表されていません。

iniBuildsによれば、すでに空港のレイアウト、ターミナル建築、エアサイドのインフラ、そして周辺環境について相当量のリサーチを完了しているとのことです。

同社は今後、実際にシャルル・ド・ゴール空港で勤務する運航乗務員、グランドハンドリングスタッフ、空港運用担当者、エンジニア、元従業員など、現地の一次情報を持つ人物からの協力も呼びかけており、専用の問い合わせ窓口(management@inibuilds.com)も案内されています。

なぜCDGは「難攻不落」なのか

シャルル・ド・ゴール空港は、複数のターミナル・サテライトに分散した巨大な構造と、現実世界で常に進行している改修・拡張工事により、資料収集が極めて困難な空港として知られています。

この難易度の高さから、これまで複数の開発元が開発着手と中断を繰り返してきました。

  • Aerosoft: 2026年6月、資料アクセスの制約や品質基準を理由に開発を無期限停止(プロジェクト自体の中止ではないとしています)
  • azrsim: iniBuildsの参入発表を受け、開発を完全に中止
  • Pilot Experience Sim(PESIM): 現在も開発を継続中

このように複数の企業が名乗りを上げては撤退してきた経緯があるからこそ、今回のiniBuildsの参入は「本命の登場」として業界内で大きな注目を集めています。

Pilot Experience Simの反応 — パートナー同士の競合という構図

注目すべきは、iniBuildsとPilot Experience Simが単なる競合他社ではなく、通常はiniBuildsストアでPESIM製品が販売されるパートナー関係にある点です。

この発表を受けPESIMは声明を発表し、パートナー企業から正面から競合を仕掛けられたことについて「残念に思う」としながらも、「競争は市場の一部であり、受け入れる」との姿勢を示しました。

PESIM版は開発当初からの継続プロジェクトとして「変わらぬ決意」で開発を進めるとしています。

両社のプロジェクトには明確な違いがあります。

iniBuilds版Pilot Experience Sim版
対応プラットフォームMSFS 2024専用MSFS 2020 / 2024両対応
強み大手ならではの開発規模とクラウドソーシングによる現地情報収集現地専門家としての実績・長期プロジェクトとしての知見
発表時期2026年8月21日継続開発中(発表済みプロジェクト)

今後の展望

現時点ではどちらのプロジェクトについても具体的なリリース時期は明らかになっていません。

iniBuildsは「両プロジェクトについて、今後数ヶ月かけて追加情報を公開していく」としており、続報が待たれます。パリの空の玄関口として世界的な知名度を誇るCDGだけに、今後のプレビュー公開や価格発表のたびに大きな話題を呼びそうです。