iniBuildsは9月2日18:00(UTC)、Microsoft Flight Simulator公式Twitchチャンネルにて、開発中のAirbus A380(MSFS 2024向け)を実際に飛ばしながら解説する約2時間のライブ配信「デベロッパー・ディープダイブ」を実施しました。
同機がエンドツーエンドで飛行する様子が公開されたのはこれが初めてで、6月のトレーラー公開以来コミュニティが最も知りたがっていた「実際の飛行性能」に踏み込む内容となりました。
カーディフ→ヒースローの実運航ルートを再現
配信ではiniBuildsのリード・テクニカル・デベロッパーであるCameron氏と、プロダクション責任者のMike氏が、ブリティッシュ・エアウェイズ塗装のA380を操縦しました。
ルートは、実機が大規模整備後の慣らし飛行(リターン・トゥ・サービス)で実際に使用しているカーディフ→ヒースロー間を再現したもので、離陸にはWorld Update 17で刷新されたカーディフのシーナリーを、着陸にはiniBuilds自社製のヒースロー空港を使用しています。
短距離フライトながら、離陸から着陸まで一連の流れをノーカットで見せる構成となっていました。
大幅刷新されたフライ・バイ・ワイヤ ― 「引き続ける」操作からの脱却
技術面で特に注目されたのが、A380専用に再構築されたというフライ・バイ・ワイヤ制御系です。Cameron氏は、離陸時のローテーション操作について「操縦桿を引き続ける」のではなく「一度引く」だけで機体が適切な姿勢まで持っていく新しいローテーション・ロー(rotation law)を採用したと説明しました。
A380は運用重量のレンジが非常に広い機体であるため、専用のロー設計によって軽荷重時から満載時まで一貫した操縦フィーリングを実現することを狙っているとのことです。
配信ではこのほか、客室(キャビン)の作り込み、エンジンの挙動、システム故障(フェイラー)のシミュレーション、そして新設計のEFB(Electronic Flight Bag)についても順次デモンストレーションが行われました。
EFBとシステム面の作り込み
8月の開発アップデートで既に明らかにされていた要素も配信内で改めて確認されました。主なポイントは以下の通りです。
- 新しいパーシステンス(状態保存)システム:セッションをまたいで機体状態を保存できる仕組みを新規実装
- 重量・重心(EFB上のWeight & Balance)管理:燃料・ペイロードをタブレット上で直接設定でき、SimBriefインポートとも連携。短時間・長時間いずれのターンアラウンドにもリアルな搭載シーケンスで対応
- 給水・汚水系統のシミュレーション、マルチ・ジェットウェイ対応なども実装が進行中
- エンジンはロールス・ロイスTrent 900とエンジン・アライアンスGP7200の2バリアントを用意し、推力応答や全体的な挙動に差異を持たせる設計となっています
モデリング面では、実機の高解像度写真を大量に参照し、プロポーションやパネルレイアウト、構造ディテールを実機と直接照合する手法が取られているとのことです。
発売は「年内」、フィーチャー・コンプリートでのリリースを明言
配信の時点で具体的な発売日は発表されませんでしたが、iniBuildsは年内(2026年内)の発売を改めて明言しました。
また同社は別途、A380を「デイ1でフィーチャー・コンプリート」の状態でリリースする方針も表明しており、発売後のアップデートは不具合修正や機能改善が中心になるとしています。今後のワークは外装モデルの最終調整、塗装バリエーションの追加、最適化、没入感を高める各種システムの仕上げに充てられる見込みです。
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